バス釣りを何年もやっていると、たくさんの思い出が心に残っています。
毎日の生活の中で、覚えていなくてはいけないことはすぐ忘れてしまうのに、あの日、あの時の釣りでの出来事は何年経ってもはっきり覚えているなんてこと、ありませんか。
私にとって、バス釣りを始めたきっかけや、初めてバスを釣り上げた日のことは、とても古いですが、今でも鮮明で、懐かしい思い出です。
皆様にとっての「初めてのバス」を一緒に思い出しながら、お読みいただけるとうれしいです。
バス釣りとの出会い
私にとっての釣りの原点は、小ブナなどの小物釣りです。
海どころか、大きな河川も近くにはない地域で育った小学校低学年の私にとって、時折親に車で連れて行ってもらう小川が唯一の釣り場でした。
自転車での行動範囲が広がった小学生高学年から中学生までは、毎日少年団や部活での活動に明け暮れ、ほとんど釣りに出かけることもなく、そのまま高校生になりました。
高校に入学し、同じクラスになったN君がバス釣りをやっているという話を友人から聞いた私は早速N君に話しかけます。
35年ほど前の当時、ブラックバスは私にとって幻の魚でした。
「つりトップ」という雑誌では、扱われるページ数は少なく、カッコいい魚だなと眺めるものの、本物を見る機会などありません。
テレビでは「とびだせ!つり仲間」という番組をやっていましたが、バス釣りがテーマになることは少なかったように思います。
そして、私の周りにはバス釣りをやっている人もいませんでした。
とにかく、ブラックバスに関する情報は完全に不足しており、アメリカっぽくて、かっこいい憧れの魚でした。
その状況の中で突然目の前に現れた、バス釣りを知る男、N君。
それまでほとんど話をしたことがありませんでしたが、私は急接近します。
N君はブラックバスがどれほどカッコいいか、バス釣りがどんなに楽しいか、興奮気味にいろいろ教えてくれました。

聞いている私もその熱に完全に絆され、すっかりその気に。
遠い存在であったブラックバスという魚が、一気に自分の手の届く範囲に近づいてきたような気になりました。
延べ竿しか持っていない私は、早速その週末にN君案内のもと、N君の地元のバス釣り専門店にタックルの調達に行くことになったのです。
初めてのタックル選び
貯めておいたお年玉を握りしめてN君と訪れたバス釣り専門店は、間口はそれほど広くありませんでしたが、奥行きのある店のつくりとなっていました。
奥に進むと、左右の壁にはカラフルで、きらびやかなルアーがズラリと並んでいます。
場違いなところに来てしまったような気がしつつ、あれもこれも気になります。
ひとしきり店内をまわったところで、N君が店長に初心者向けのバス釣りタックルを相談してくれました。
店長がチョイスしてくれたのは、今はなき老舗メーカーであるダイコーのスピニングロッドと、ダイワの黒いスピニングリールでした。
ロッドはプレステージという製品だったような気がします。
リールはドラグ調整のダイアルがスプールの上部ではなく、リールの下側についているという特徴のものでした。
店長いわく、ファイト中でもドラグ調整がしやすいということ。
そして、ブッシュマスターというナイロンライン。
すべてオススメいただいたとおりに購入決定。

最後にルアーを選びます。
軍資金はほぼ底をつき、ハードルアーを購入する余裕はありません。
N君のアドバイスもあり、4インチのスライダーワームとストレートフック、バレットシンカーを選びます。
スライダーワームは1袋しか買えないお財布事情の中、カラーが豊富で何を選べばよいかわかりません。
そこで店長に相談します。
「どの色が一番釣れますか。」
店長の答えは、
「どれが一番釣れそうに思う?」
なぜ教えてくれないんだろうと思いつつ、商品の棚に戻り、一番気になっていたものを手に取ります。
芯の部分が薄い緑色、その周りを半透明のオレンジで包まれたカラーです。

直感だけで選んだこのカラーを店長のところに持っていくと、
「それが一番釣れるカラーだよ。」
ニヤッと笑いながら、教えてくれました。
商品を購入し、店長が手早くラインをリールに巻いてくれている間、「本当にこのカラーが釣れるのかな、もしかしたら自分は釣れるカラーがわかる才能があるのかな」などと考えていました。
そして、その答えは何年も経って、自分で気がつくことになるのです。
初めてのタックルを手に入れ、いよいよバス釣りのスタートラインに立ちました。
意気揚々と店を出て、早速、N君と次の週末の約束をして家路につきます。
次回は、初釣行について記憶を辿ります。
では、また。
よろしければ、後編にお付き合いください。
後編はこちら
初めて釣ったバスのこと覚えていますか ~後編~



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