バス釣りを何年もやっていると、たくさんの思い出が心に残っています。
毎日の生活の中で、覚えていなくてはいけないことはすぐ忘れてしまうのに、あの日、あの時の釣りでの出来事は何年経ってもはっきり覚えているなんてこと、ありませんか。
私にとって、バス釣りを始めたきっかけや、初めてバスを釣り上げた日のことは、とても古いですが、今でも鮮明で、懐かしい思い出です。
後編は初釣行についてです。
前編はこちら
初めて釣ったバスのこと覚えていますか ~前編~
電車に揺られ
N君との初釣行を迎えた日、行先は霞ヶ浦の土浦駅近辺。
見慣れない景色の中、1時間半ほど電車に揺られての大冒険です。
背中のリュックサックには、先日購入したリールやスライダーワームに加え、なんと、クランクベイトを忍ばせています。
このクランクベイトは、今回、霞ヶ浦にバス釣りに行くことを兄に話したところ、餞別として渡されたものです。
兄はルアー釣りをしませんが、このクランクベイトは以前、知り合いから譲り受けたものとのことでした。
背中がきれいな紫色で、リップが金属の板である奇妙なクランクベイトを、電車の中でN君に見せたところ、それはホッテントットという名前だと教えられました。

目的地に近づく中、布製のケースに入れたロッドを手にして座席に座っていると、地元の方らしきオジサンに話しかけられました。
「それ、何持っているの?竹刀?」
「いえ、釣竿です。」
「へぇー、そうなんだ、がんばってなー。」
「はいー。」
ケースに入れているとはいえ、竹刀には見えないだろうと心の中で軽くツッコミつつも、気さくなオジサンと別れて土浦駅に到着。
ついに着きました、霞ヶ浦。
対岸が見えない
霞ヶ浦に到着して最初に驚いたのはその大きさ。
対岸が見えないほどで、正に未知の世界です。
釣り人も多く、自分以外はみんな釣りウマに見えてしまいます。
慣れない手つきで、買ったばかりのタックルに、スライダーワームを結びつけました。
早速釣り開始です。
最初にN君が、どのようにロッドを動かし、ルアーをどのように動かせばよいか、説明してくれました。
見よう見まねでキャストして、リトリーブをしてみますが、自分のルアーがどの辺りにあり、どのように動いているか、全くわかりません。
キャストをしながら右方向に進んでいきます。
小鮒の餌釣りと違って、どんどん歩きながら釣っていくというスタイルが新鮮でした。
N君は、あの杭の下、あの岩の間、ここの葦の際などと、釣れそうなポイントを示して、私に先に投げさせてくれます。
しかし、N君の優しい心遣いもむなしく、アタリらしきものはありません。

なんだか重い
2時間ほど歩いたでしょうか。
ふたりともアタリはありません。
そんな中、私はふとリュックサックの中に忍ばせた秘密兵器を思い出します。
ルアーの変更をN君に告げると、根がかるので速く巻きすぎないようにとのアドバイス。
しかし、どのくらい速いと巻き過ぎなのかはわかりません。
おそるおそる巻いてみると、小刻みなブルブルとした振動が手に伝わってきて、いかにもバス釣りをしているという気分になってきました。
そして、ルアーチェンジして間もなく、慎重に巻いていたはずのリールのハンドルが急に重くなりました。
大切なルアーを根がからせてしまったのかと、焦ってリールを巻く手を止めたところ、急にロッドがぐいぐいと引っ張られ始めました。
「かかってる、かかってる」というN君。
私は頭が真っ白になりながらも、リールを少しずつ巻き取ります。
バシャと水面に跳ねて、雑誌で見たことがある魚体が目に入りました。
「本物だ」と当たり前のことを考えながら、祈るような気持ちで巻き続けます。
最後は巻き取り過ぎて、ロッドの半分ほどの長さになったラインに、初めてのブラックバスがぶら下がっていました。
N君に手伝ってもらいながらフックを外し、親指を口に入れて「バス持ち」をします。
30cm程度のサイズでしたが、魚を見て、初めてカッコいいと心から思った瞬間でした。
その後の悲劇と歓喜
気をよくした私に、その後すぐに悲劇が襲いかかります。
調子にのって、先ほどよりもちょっとだけ速く巻いたリールのハンドルが再度重くなります。
しかし、今度はロッドが動き出すことはなく、秘密兵器との突然のお別れとなってしまいました。
意気消沈し、スライダーワームに戻します。
しばらく釣り進んでいくと、沖側の水面に岩が頭を出しているエリアとなりました。
岩の隙間にワームを投げ入れ、ズリズリ引きづっていると、なんだかラインが横方向に動いているような気がします。
そんな簡単に何度も釣れるはずがないと思いながらも、ロッドを持ち上げてみると、またもや魚が走り始めます。
今度は先ほどよりもサイズダウンし、スムーズに釣り上げることができましたが、ワームは飲まれ、エラから出血が。
ブラックバスに申し訳なく、喜びも半分の気持ちになりながらも、N君は器用にフックを外してくれました。
・・・この瞬間でこの日の私の記憶は途切れます。
振り返ると
初釣行で2匹も釣ることができたことは、今考えても素晴らしい思い出であり、N君には感謝しかありません。
これですっかりバス釣りが好きになりましたが、資金も交通手段も乏しく、部活漬けの高校生の間はあまり釣りにいくことはできませんでした。
そして、高校卒業後はN君と会うこともなくなり、音信不通に。
元気でいるかな。
ブラックバスを初めて釣ったルアーがクランクベイトであったため、私の中にクランクベイトは釣れるルアーであると刷り込まれ、今でも大好きなルアーのひとつです。
最後になりますが、スライダーワームを購入した時に釣具屋の店長が、私の選んだカラーに対して「それが一番釣れるカラーだよ。」と言った言葉の意味。
何年も後になって答えがわかりました。
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自分が釣れると信じて使っているルアーが一番釣れる。
気持ちが入って、集中力も続くから。
ルアーのカラーだって一緒。
他人に勧められたカラーよりも、自分が釣れると信じるカラーの方がずっと釣れる。
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ですよね、店長。
前回に引き続き、誰にでもあるような、私の古い思い出話にお付き合いいただきありがとうございました。
これからも、自分が今やっている釣りを楽しみつつ、これまでの思い出も大事にしていきたいと思います。
では、また。



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