フロートボートでのヒヤリと失敗② ~岸際のツルに、ハチの巣~

コンパクトカヤック
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先日、フロートボートで川に浮かんでいたときのことです。
危うくアシナガバチの巣に突っ込むところでした。
幸い刺されずに済みましたが、水の上でハチに襲われたらどうなっていたか。
考えるほど背筋が寒くなります。
今回は、その一件の共有と、あらためて調べた「ハチの危険な時期」と「刺されないための知識」をまとめます。

岸際は、一級ポイントであり、ハチの住処でもある

上の写真をご覧ください。
どこにでもありそうな岸際ですが、この中にアシナガバチの巣があります。
さて、どこにあるでしょう。

「おわかりいただけただろうか。」

なんて、ホラーではありませんが、この景色を見て危険を感じることなんて難しいですよね。
むしろ、テトラにオーバーハングがからんで、近づいてキャストしたくなってしまいます。

よく目を凝らしてみると。
手前にある枯れたツルが水面に向かって垂れ下がっている、中央よりやや下のあたりです。
拡大してみると・・・。


既に繭がいくつも育ち、数十匹のアシナガバチが巣を取り囲んでいます。
私も当然、このオーバーハングを撃とうと艇を寄せました。
エレキで静かに、できるだけ近くまで。
そして、キャストしようとしたところ、ツルの中に巣があることに気づきました。
すでに、数メートルの距離まで近づいた後でした。

水の上には、逃げ場がない

このとき一番怖かったのは、「逃げられない」ということでした。
陸なら走って離れられます。
ですが、フロートボートの上ではどうでしょうか。

エレキも、最速で時速4km程度
慌てて動けば、艇が揺れて落水の危険
水に飛び込むわけにもいかない

以前、エレキの速度を実測した記事を書きましたが、あの数字が持つ意味を、このとき初めて実感しました。
フロボもコンパクトカヤックも、ハチから逃げ切れる乗り物ではありません。
→ 速度の実測はこちら:フロボは時速何kmで進むのか
さらに悪いことに、ハチは「振り払う動作」に反応して攻撃性を高めます。
狭い艇の上で手を振り回せば、事態は悪化する一方です。
幸い、ハチたちはまだ私の存在に気がついていません。
私はゆっくりと、静かに艇を後退させました。
刺されずに済んだのは、本当に運が良かったと思っています。

調べて分かった:ハチの危険な時期

帰宅後、あらためて調べてみました。
今後も釣りを続けていくので、知っておいた方がよいと思いました。

アシナガバチ:7〜8月がピーク

アシナガバチは、7〜8月に攻撃性が高まり、特に8月に刺される被害が多いとされています。
この時期は巣作りのピークで、巣を守る意識が強くなっているためです。
今回はまさにこの時期です。
裏を返せば、8月を過ぎれば危険性は下がっていきます。

スズメバチ:9〜10月が最も危険

そしてスズメバチは、さらに厄介です。
9月・10月に被害が最も多くなります。
夏の間に巣が巨大化し、働きバチの数が最大になるうえ、次世代の女王バチを育てる大事な時期に入るため、巣を守る攻撃性が跳ね上がるのです。
つまり釣り人にとっては、夏から秋にかけて、危険なハチが入れ替わりで存在し続けるということになります。
秋の釣行シーズンは、まさにスズメバチの最盛期と重なります。

知っておくべきこと:刺されないための知識

黒い服は危険

これは有名な話ですが、あらためて。
スズメバチは黒い色に向かう性質があります。
自然界での天敵(クマなど)の色に反応するためと言われています。
頭髪も黒いので、特に頭部が狙われやすい。
ハチのいそうな場所では、白っぽい服と帽子が推奨されています。
釣り人は黒い帽子やサングラス、黒っぽいウェアを好みがちですが、これは知っておいて損のない知識です。

振り払わない、大きく動かさない

先ほども書きましたが、手で振り払う動作はハチを刺激します。
姿勢を低くして、静かにその場を離れるのが正解です。

匂いにも注意

香水やヘアスプレーなど、強い匂いのするものはハチを引き寄せることがあります。
整髪料の匂いにも注意、ということです。

そして「発見」が最大の防御

結局のところ、巣に近づかないことが最大の対策です。
岸際を撃つとき、私はこれまで「バスがいそうか」しか見ていませんでした。
これからは、キャストする前に、そこにハチが飛んでいないか、巣らしきものがないかを一度見る。
この一手間を習慣にしようと思います。
岸際にルアーをひっかけてしまい、回収に向かうときが一番危険かもしれませんね。

最も怖い話:アナフィラキシーショック

そして、最後に一番重い話であるアナフィラキシーショックです。
ハチに刺されると、全身のじんましん、血圧低下、呼吸困難、意識障害といった重篤な症状(アナフィラキシーショック)を起こすことがあります。
これは命に関わります。
特に知っておくべきなのが、「2回目が危険」ということです。

1回目に刺されたとき、体内に抗体ができます
2回目以降に刺されると、その抗体が過剰に反応してアナフィラキシーを起こすことがある
2回目以降に刺された人のうち、1〜2割にアナフィラキシーの症状が現れるとされています

つまり、「前に刺されたけど平気だった」という経験は、まったく安心材料になりません。
むしろ逆です。

刺されてしまったら

  • その場を離れる(仲間のハチを呼ぶ物質が出るため)
  • 傷口を流水で洗い、毒を絞り出す(口で吸うのは避ける)
  • 最低30分は、体調の変化を観察する。アナフィラキシーの多くは15分以内に症状が出ます
  • 息苦しさ、めまい、全身のじんましん、意識がもうろうとする——これらが出たら、迷わず救急車

そして水の上では、「30分様子を見る」ことすら難しい。
すぐに上陸することを考え、できればエントリーポイントまで戻りたいところです。
すぐに助けを求めることができない単独釣行では特に、刺されないことが重要です。

また、過去にアナフィラキシーショックを起こした既往(経験)がある場合は、医師に相談のうえ、緊急時に備えて事前にエピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方してもらうことが可能とのことです。
こらは私も知りませんでした。

まとめ

  • 岸際の一級ポイントは、ハチの住処でもある
  • アシナガバチは7〜8月、スズメバチは9〜10月が最も危険
  • 水の上は逃げられない。エレキも人力も、ハチより遅い
  • 黒い服は狙われやすい。振り払わない。匂いに注意
  • 2回目の刺傷は特に危険。「前は平気だった」は通用しない
  • キャストの前や、ひっかけたルアー回収の際はそこにハチがいないか見る習慣を

以前、ルアーの針で病院に行った話を書きました。
今回は幸い、何事もなく済みました。
ですが、水の上では小さなトラブルが大きな事故につながります。
楽しく釣りを続けるために、危ないことは危ないと知っておく。
それも装備(備え)のひとつだと思っています。

→ 前回のヒヤリ:フロートボートでのヒヤリと失敗① ~ルアーは凶器と心得よ~

では、また。

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