水温を「ピッ」と測る ~ポケットに入る放射温度計 A&D AD-5617WP~

小ネタ
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今回は、私の釣りの情報収集を一段階変えてくれた小さな道具、放射温度計の紹介です。

バス釣りにおいて、水温は一級の情報です。
「春の進み具合」「ターンオーバーの気配」「魚が動き出す温度か」——雑誌でもメディアでも、シーズナルパターンの話は必ず水温を軸に語られます。
ところが肝心の水温を、私たちは意外と測っていません。
測るのが面倒だからです。
その面倒を消してくれるのが放射温度計です。
水面に向けてボタンを押すだけ、一瞬で表面水温が表示されます。

放射温度計とは

放射温度計は、物体から出ている赤外線を読み取って、触れずに一瞬で温度を測る道具です。
工場や調理の現場で使われている技術ですが、これが釣りと相性抜群なのです。

昔ながらの水温計のように紐で沈めて待つ必要がなく、手も道具も濡れません。
艇の上からでも、足場の高い護岸からでも、水面に向けて「SCAN」ボタンを押すだけ。
すぐに釣り場での習慣になります。

なぜ釣りに効くのか

その1:その日のコンディションが数字で分かる

「今日はなんだか活性が低い」という感覚が、「先週より水温が3℃下がっている」という数字になります。
数字になれば、レンジを下げる、スローにする、と対策も立てやすくなります。

その2:「水温差」で魚を探せる

実は放射温度計の真骨頂はこちらだと思っています。
同じフィールドの中でも、インレット(流れ込み)の周り、風下、日当たりの良いシャロー、日陰では、水温が微妙に違います。
移動しながらあちこち「ピッ」と測っていくと、周りより水温の高い(または低い)場所が見つかります。

季節によって、バスは快適な水温の場所に寄ります。
真冬や早春に周囲より少し温かいエリア、真夏に少し涼しいインレット。
水温の「絶対値」ではなく「差」を探す——非接触で連続的に測れる放射温度計だからこそできる、魚探しの武器です。

真夏に釣りをしていると、いわゆる「水の動いているエリア」と「水の動いていないエリア」が何となく見た目でわかったりするものですが、実際に水温を測ってみると1℃程度違っていたりするので、数値で実感することもあります。

その3:記録が溜まると「自分のフィールドの水温カレンダー」になる

よく通うフィールドでは季節、時間帯、ポイントごとに水温の記録を残すようにしてみてください。
これを続けると、「このフィールドは水温○℃を超えると釣れ始める」「○℃を切ると反応が消える」という、自分のフィールド専用の相関データが育っていきます。
雑誌の一般論ではなく、自分の水域の実測値。
1年後、2年後の自分への、最高の贈り物です。

AD5617WPを選んだ理由

放射温度計はいろいろありますが、私が使っているのはA&D(エー・アンド・デイ)の「AD-5617WP」です。釣り向きのポイントがそろっています。

  • ペン型・約21g。 一般的なガンタイプの放射温度計と違い、まさに手のひらサイズです。フロボ・カヤックの限られた積載でも、オカッパリの身軽な装備でも、持ち運びがまったく苦になりません
  • 防水仕様。 水辺で使う道具ですから、これは大前提。うっかり水しぶきを浴びても安心です
  • 国内の計測機器メーカー製。 A&Dは計量・計測の専門メーカーです。おもちゃではなく計測器としての信頼感があります

主なスペック

  • 品名:A&D 防水型赤外線放射温度計 AD-5617WP
  • サイズ:18×18×82mm(ペン型)
  • IP67防水仕様、水をかけて洗えます(水没には適しません)
  • 重量:約21g(電池含む)
  • 測定範囲:-33〜+180℃
  • 応答時間:1秒(体感は一瞬です)
  • 電源:ボタン電池LR44×2
  • その他:30秒表示保持、連続測定対応
  • 実売価格:3,000円前後

購入前に一点注意

同社の製品でAD-5617という赤外線放射温度計があります。
こちらはAD-5617WPと見た目が似ていますが防水性はありません。
釣りに持っていくには不向きなので、間違えて購入しないようご注意ください。

使い方のコツと、正直な注意点

コツはシンプルで、「同じ条件で測って、変化と差を見る」ことです。

  • 毎回同じような場所・タイミング(出航時のエントリーポイントなど)で測ると、記録の比較がしやすくなります
  • 測定対象との距離や角度によって、微妙に値が変化しますので、私は毎回「距離は10㎝で角度はまっすぐ」という測定方法に統一しています
  • 精度は±2.5℃程度なので、0.1℃単位の絶対値を追う道具ではありません。「先週との差」「あの場所とこの場所の差」を見る相対比較の道具と考えるのが正解です
  • サイズが小さいのでポロッと落としても気が付きにくいです。釣りの際はリールキーホルダーなどをつけて使いましょう

そしてもうひとつ正直に。
放射温度計が測れるのは表面の水温だけです。水中のレンジの水温までは分かりません。
ですが、季節の進行や場所ごとの差を掴むには表面水温で十分に役立ちますし、そもそも「毎回測って記録できる」ことが何より大事。
続けられる道具が、一番強い道具です。

まとめ

以上、放射温度計 A&D AD5617WPの紹介でした。

  • 水面に向けて「ピッ」。約1秒で表面水温が分かる
  • その日のコンディション把握、水温差での魚探し、記録の蓄積の三役
  • ペン型21g・防水・実売3,000円前後。オカッパリでもポケットに入る
  • 絶対値より「変化と差」を見るのがコツ

タックルは増やせば増やすほど迷いも増えますが、情報は増えるほど釣りが整理されていきます。3,000円で買える「水中の情報源」、ぜひ試してみてください。

では、また。

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